昭和を代表する俳優・森繁久彌さん。
元NHKアナウンサーですが、その経歴や学歴、俳優になったきっかけは？
結婚歴や妻、子供は？晩年や死因は？
今回は俳優の森繁久彌さんをリサーチしてみました。
森繁久彌の学歴・経歴
名前 森繁久彌
生年月日 1913年5月4日
没年月日 2009年11月10日（96歳没）
出身 大阪府枚方市
身長 168cm
血液型 B型
所属 アクターズセブン
父親、母親、2人の兄の5人家族。出生名は菅沼久彌。
父親は日本銀行、大阪市庁（現・大阪市役所）を経て実業家となった菅沼達吉さん。
「久彌」の名前は父親が三菱財閥3代目総帥の岩崎久弥さんと親交が深かったことから名付けられたといいます。
2歳の時に父親が他界。
小学校1年生の時に母方の馬詰方の父の姓を継いで森繁家の養子となり、森繁姓に変わりました。
小学校は枚方尋常小学校に入学後、兵庫県西宮市鳴尾に移り、西宮市鳴尾町の鳴尾小学校に転校。小学5年生の時に大阪市北区堂島の堂島小学校に転校しました。
堂島小学校に転校してたのは、教育熱心だった母親の意向でした。
当時、堂島小学校は名門と言われており、兄が入学した名門旧制大阪府立北野中学校に合格させようとの考えだったといいます。
その後、旧制大阪府立北野中学校に合格。
『私はというと数学が好きだった。他はあんまりできないね。地理や歴史なんか…何でクダラナイ、古い人の、ワケの分からん坊主の名前なんか覚えたりするんダ…と思って。』
歴史は大嫌いでテストを白紙で提出し、留年もしています。
高校は旧制早稲田第一高等学院に進学。
現在の早稲田大学高等学院（偏差値75）です。
『大阪から東京の早稲田第一学院に入ると、大人の世界に入った感じだった』
高校入学後はツケで芸者遊びにハマって放蕩生活を送り、質屋にも通っていました。
高校卒業後は早稲田大学・商学部に進学。
大学時代は演劇研究部に入部。
大学3年生だった1936年に、当時、必修とされていた「軍事教練」を拒否し大学は中退ています。
NHKアナウンサーとして満州に赴任
森繁さんは1938年に軍隊に召集。
しかし、耳の手術をした直後だったため戦争に行くことはありませんでした。
その後、軍隊に召集されずに海外に赴任できる仕事を探し見つけたのがNHKアナウンサーでした。
1939年にNHKアナウンサーの試験を受け合格。
研修を経て新京の満洲電電公社の新京（現在の長春市）本社に赴任。
満州では映画のナレーションや、川一本を隔てたソ連軍に対する謀略放送なども行っていました。
1945年に現地で終戦を迎えると、一時はソ連軍連連行さるなど苦労しましたが、1946年11月、33歳の時に日本に帰国しました。
俳優になったきっかけ
森繁さんが芝居を始めたの大学生の時で、演劇研究部に入ったことがきっかけでした、
『僕は別に役者になろうと思って「演劇研究部」に入ったわけじゃなく、いつのまにか役者になって、それが今でも続いている。』
先輩部員が左翼活動で大学を追われ、その後は中心メンバーとして活躍。
その後、演劇研究部を退部し、大学在学中にてアマチュア劇団「中央舞台」を設立。
大学中退後は兄の紹介で東京宝塚劇場（現・東宝）に入社。
東宝新劇団、東宝劇団、古川ロッパ一座と劇団を渡り歩き芝居を続けましたが、1937年に古川ロッパ一座を退団。
NHKアナウンサーになり満州の赴任した後も、現地の新京放送劇団に所属していました。
帰国後はNHKを退社し、本格的に俳優活動を始め、再び劇団を転々としながら芝居を続け、1947年に『女優』の端役で映画初出演しました。
代表作は「夫婦善哉」
1949年4月に舞台『蛇』で主演。
10月にミュージカル『太陽を射る者』に出演すると、アドリブのギャグを交えて歌を歌い、喜劇役者として注目を集めるようになりました。
1950年にはNHKのラジオ番組『愉快な仲間』に藤山一郎さんの相手役としてレギュラー出演。
2人のコンビネーションが話題を呼び3年続く人気番組となりました。
1950年に『腰抜け二刀流』で映画初主演を務め、1952年に出演した喜劇映画『三等重役』では要領のよい浦島人事課長を演じると大評判にり、これが出世作となりました。。
1995年に映画『夫婦善哉』で島千景さんと共に主演を務めると、
ブルーリボン賞・主演男優賞
を受賞し、生涯の代表作となっています。
1956年からテレビに進出し、テレビの草創期から活躍。
1959年には歌手デビューも果たし、同年から7年連続で紅白歌合戦にも出場しました。
1976年には『徹子の部屋』の第1回のゲストとして出演。
1984年には主演映画『小説吉田学校』の演技で、
日本アカデミー賞・優秀主演男優賞
を受賞しました。
結婚歴や妻、子供
森繁久彌さんの結婚歴は1回です。
結婚したの大学在学中で学生結婚でした。
妻の名前は満寿子さん。
『劇研時代に、東京女子大に通っていた家内と知り合ったことが一番大きな想い出かな。うまいこと言い含めて結婚してね、そのままずっと来ました。』
早稲田の演劇研究部の誘致ポスターを東京女子大学に貼ったところ、来たのが満寿子さんでした。
ずっと連れ添いましたが、満寿子さんは1990年に亡くなり、死別しています。
子供は息子が2人と娘が1人の3人。
長男の森繁泉さんは俳優をしていましたが、1999年に肝臓がんのために58歳で他界しています。
次男の建(たつる)さんはゴルフ場の代表取締役を務めていたようです。
晩年と死因
2000年に胆管結石のために緊急入院後、2002年12月には静養先の沖縄県で心筋梗塞で倒れましたが回復。
2004年91歳の時には映画『死に花』に出演。
この映画が最後の映画出演作となりました。
2006年3月、92歳の時に22歳年下の作家・久世光彦さんの葬儀に健康上の理由から止めた周囲の反対を押し切って参列。
これが公の場へ現れた最期の姿でした。
2009年7月に風邪を引いて入院し、8月にに重い症状は回復しましたがそのまま入院を続け、9月には「第11回世田谷フィルムフェスティバル」で開かれた「名優・森繁久彌展」に
『皆さんに多大なご心配をおかけしましたが、私自身はおだやかに秋をむかえております』
とのメッセージを送り、同年11月10日に老衰のため96歳で死去しました。
コメント